Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

2014-07-20から1日間の記事一覧

【140字小説】#0015

携帯をいじりながら、お昼を食べる。フライドポテトを口に咥え、わたしの近況についた友人のコメントに返信を返す。隣の席に男が座る。男はトレーの上にフライドポテトをぶちまけ、山を作ると、そこへじかにケチャップとマヨネーズをかけた。赤と白とでドロ…

【マンガ】将也と硝子、ふたりの声なき者-『聲の形』

ある本に、今の若者の社会が、もっと言えば社会全体が「コミュニケーション偏重主義」に支配されているから生きにくくなっているということが書いてありました。要するに、コミュニケーション能力という物差しだけでひとの価値が決められてしまっている。勉…

【140字小説】#0014

青空なるものを見た最後のひとが今日死んだ。最後に太陽が姿を見せたのは前世紀のことだという。空は常に厚い雲に覆われているけれど、昼だって夜だってある。若干平均気温は下がったようだけれど、一年を通せば四季の寒暖だってある。太陽の痕跡がすべて毀…