Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

 本 

【 本 】上司から部下までひとの使い方を将棋で指南、駒使いが人生を制する-『勝負』

今週のお題「最近おもしろかった本」 昭和の時代に活躍した将棋の名人、升田幸三さん。 対戦した名人相手に「名人など所詮はゴミだ」と言ったら、相手がカチンときて「じゃあ、君は一体なんだ」と。すると「ゴミにたかるハエだな」と交わすユーモア。 大のヘ…

【 本 】ターミネーターのようなヒットマンに痺れる、映画もオススメ-『血と暴力の国』

トミー・リー・ジョーンズとハビエル・バルデムが共演した『ノーカントリー』という映画がありました。 ノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray] 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 発売日: 2012/…

【 本 】ひとは間違ったことを言い続けてきました-『珍説愚説辞典』

世間には、「なるほど!」と思わせる素晴らしいアイディア・意見があります。一方には「ナンダコレハ?」というような珍説・愚説もまた存在します。 今なら2ちゃんねるのコピペスレが有名。これとかですね。 705 名前:Trader@Live!:2008/03/01(土) 00:22…

【 本 】「哲学的意味がありますか?」、妖精がおりなす青春ミステリー-『さよなら妖精』

バルカン半島の代名詞といえば「ヨーロッパの火薬庫」。 なぜ「火薬庫」なのかをきちんと説明するには『坂の上の雲』全8巻分くらいのボリュームが必要。兎にも角にも、めちゃくちゃ複雑なのです。 荒っぽく要約するなら、民族と宗教と国境が入り乱れている…

【 本 】うでとでぶどっちがいい、目眩がする究極の選択-『デブを捨てに』

『独白するユニバーサル横メルカトル』 『いま、殺りにゆきます』 『ミサイルマン』 『或るろくでなしの死』…… 平山夢明さんのタイトル、気が狂っているのにソリッドな感じが好きです。いえいえ、気が狂っている「から」ソリッドなのかな? 最新作『デブを捨…

【 本 】怖すぎ!京都の連続殺人事件を予言していた?-『後妻業』黒川博行

──殺したひとの数が多すぎて、犯人自身もよく覚えていない。 関西全域にわたって起きた内縁の妻による連続殺人事件。警察も裏付け捜査に難航しているようで、まるでコントかたちの悪い冗談です。 底なし沼化した筧千佐子被告の連続殺人 新たに4人の内縁の夫…

【 本 】オタクは人間ではなくて動物だったの?-『動物化するポストモダン』

先週の神田祭はすごかったですね。 わたしは神田明神には行かず、秋葉原だけだったんですけども、街のなかにまさしく「古今東西硬軟聖俗」がひしめき合っていました。大手町にあった神田明神が今の場所に移って400年目という節目の年に当っていたこともあり…

【 本 】自分の見た目が気になる気になる-『卒アル写真で将来はわかる』

ひとは見かけによらぬもの、見た目でひとを判断するな、名は体をあらわす、目は口ほどに物を言う、『人は見た目が9割』、見掛け倒し、猫かぶり、名実一体……などなど。これらはみな、ひとの内面と外面がどれくらいかけ離れているか、あるいは似通っているか…

【マンガ】フツーの女子中学生がいちばん可愛い-『千と万』

中学生になりたての詩万ちゃんはお父さんとふたり暮らし。こころはともかく、体だけはどんどん大人になっていくお年頃。初潮が来てしまったことで、自分がオンナであること、オトナになることを否が応でも自覚せざるを得ません。でも、オトメゴコロを多少な…

【 本 】明日から本気出す()の恐怖-『タタール人の砂漠』

目の前に広がるのは茫漠たる砂漠。なぜ、こんな辺鄙なところに国境警備の砦があるのかと、新人将校ドローゴは不審に思いつつも着任します。どんな必要があり、守備を行っているのか先任のひとびとに尋ねると、砂漠の果てには異民族のタタール人がおり、彼ら…

【 本 】愉快犯?確信犯?ふざけたタイトル、シリアスな物語-『連続殺人鬼 カエル男』

マンションの高層階から蓑虫のようにぶらさがる女。でも、それは口から鼻の横へかけて貫通するようにフックでぶらさげられています。こんな衝撃的なシーンから『連続殺人鬼 カエル男』の物語は始まります。死体のそばには警察を挑発するとも、犯人の自己顕示…

【 本 】世界と最愛のひととの両天秤-『11/22/63』

なんて読むのだろうと思ったけど「イチイチニーニーロクサン」でいいのでしょう。ケネディ大統領がテキサス州ダラスでブローン・アウェイ、つまり暗殺された日をタイトルにしたスティーヴン・キング『11/22/63』。主人公のジェイクは友人のアルから、過去へ…

【 本 】今日、あなたの頭上に振りかかるかもしれない悪夢-『夏の災厄』

それはインドネシア近くの島でひっそりと始まった。兆候は少し前からあった。鳥の鳴き声が島から消え、やがてそれと入れ代わるように奇病があらわれる。子供たちは、島を訪れた医師たちによってどこかへ連れ去られていた。 閉めきった家々の戸口から、鼻をつ…

【 本 】真夏の夜の百物語より8編-『百物語』

今、百物語を行うと、どんな物語が集まるのだろう。 怪談には、 目に見える現象を科学的に説明できないから、怪異で辻褄を合わす 正論として語ると押し付けがましくなるので、怪異を用いた因果話として語る 風説・風評に尾ひれ、例えば因果関係であったり擬…

【 本 】あなたを縛るものから解き放つ簡単なこころみ-『弱いつながり 検索ワードを探す旅』

哲学者の東浩紀先生にしては珍しいタイプの本だというので、ツイッターで話題になっていた。 『弱いつながり』 「弱い」というキーワード。以前に松岡正剛『フラジャイル』を読んで以来、気になっていた言葉。世界は「強さ」を求める。経済も、政治も、軍事…

【 本 】ひとを忘れた会社に明日はない-『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。 コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする』

結論はひとつ。 会社はひとでできている。 ひとにテコ入れしよう。 ツールとしてのグラフやチャートをいくら用いても会社に変化は起こせない。 変化がないどころか、多分に抵抗を誘発し、改悪へ転がる。 ひとにテコ入れするといっても、さほど難しいことが必…

【 本 】虐殺の村オラドゥールに見る戦争の無意味さ-『失われた土曜日』

パレスチナの惨状を目の当たりにして、イスラエル憎しの思いを募らせている日本人は多いでしょう。 戦争行為が、合理的で、平和的で、理性的であったことなどありはしません。こと、生活者目線においては。 今に語り伝えられる、戦争にまつわるたくさんの悲…

【 本 】「キレるひと」「モンスター」の精神構造-『承認をめぐる病』

前にサービス業で働いていたときの先輩、一緒に居酒屋へ行くと、普段の接客で見せる愛想良さが豹変。 「料理、遅いんだけど。さっさと持ってこいよ」「皿、下げて、早く持って行けよ」 わたしはあまりの恥ずかしさと店員さんに対する申し訳なさで俯いていま…

【マンガ】『ゆるゆり』から飛び出しました-『大室家』

美味しいものは最後に残すタイプです。 今日あたり2巻が出るので、ようやく1巻を手にするというおおたわけ。だって、さっさと読んじゃうと、次が出るまでが苦痛なんだモン‥‥‥。 今さらそちらの向きには解説も不要だとは思いますが、端的に。 『ゆるゆり』…

【 本 】あなたを苦しめる「目標」という名の呪縛???-『「待つ」ということ』

最近、ものすごく疑問に思っていることがあるのですよ。 それは、目標を立てることの是非。 現代人は生まれてからずっと、目標を立て、それをクリアーするための努力する生き方をあたりまえだと思っています。 あたりまえというか、むしろ「善」とすら? 次…

【 本 】ジブリの裏監督、鈴木敏夫-『映画道楽』

どれほどの天才であっても、ひとりでは種々不都合があります。才能が申し分なく活躍できる場を与えるために、それ以外の雑事を一手に引き受けてくれるひとたち。 それが女房役。 ホンダの創業者・本田宗一郎さんを財務や営業で支えた藤沢武夫さん。小泉純一…

【 本 】魂の行方を定める場所-『恐山』

恐山。その名は日本全国津々浦々に知れわたっていますが、実際に足を運んだことがあるひとはどれくらいいるでしょうか。 もちろん観光地ではありませんが、死者との邂逅が果たせる霊場として興味・関心を持っているひとも多いでしょう。わたしもそんなひとり…

【 本 】読み応えあり、短編ミステリーアンソロジー-『驚愕遊園地』

ベテランから中堅どころまで。総勢15名のミステリー作家による短編アンソロジー。お目当ては米澤穂信先生でしたが、ほかの先生がたも読ませる、読ませる!長編と違い、短編ミステリーには、登場人物たちのひととなりや事件背景を長々と語っている紙幅があり…

【 本 】チェコ人の目に映ったオランダ-『オランダ絵図 カレル・チャペック旅行記コレクション』

ワールドカップでオランダは大健闘の三位。ただ、今回のチーム、母国ではあまり期待されていなかったみたいで(おいおい‥‥‥)、このたびの結果にオランダ国民は大喝采なんだとか。選手の心境は複雑でしょうね、嬉しいだろうけど。オランダは、ポルトガルに次…

【マンガ】不器用な神さま中学生-『かみちゅ!』

<神さまで中学生>、略して『かみちゅ!』。Amazonを見て、また新品が買えるようになったんだ!と思ったら1巻だけ。2巻は相変わらず在庫切れのようです。アニメで放映された作品ですので、わたしなんかよりも詳しいひとは大勢いらっしゃると思います。し…

【 本 】わたしの隣のディストピア-『すばらしい新世界』

アニメ『PSYCHO-PASS』、今はちょうど新編集版がやっているところで、この秋にはいよいよ第二期がスタート。一見正しいものが偽善だったり、間違っているとされていることに真実の片鱗が垣間見えたり、とても重厚なドラマが展開され、私は大好きです。ヒロイ…

【マンガ】将也と硝子、ふたりの声なき者-『聲の形』

ある本に、今の若者の社会が、もっと言えば社会全体が「コミュニケーション偏重主義」に支配されているから生きにくくなっているということが書いてありました。要するに、コミュニケーション能力という物差しだけでひとの価値が決められてしまっている。勉…

【 本 】ミニマリズムなDEATHTOPIA-『〔少女庭国〕』

ミニマリズムという言葉をウィキると、以下のようにあります。 美術・建築・音楽などの分野で、形態や色彩を最小限度まで突き詰めようとした一連の態度を最小限主義、ミニマリズム(英: minimalism)という(ミニマリスムとも表記される)。1960年代のアメリ…

【 本 】剣と魔法とミステリーと-『折れた竜骨』

直木賞の決定が明日に迫りました。「賞」にはいろいろ大人の事情が絡み、のちのちに物議を醸すことも少なくありませんが(メッシのMVPとかね)、それでも受賞できたかたにとっては嬉しいことこの上なし。さらには、それが売上増につながれば、作家さん自身も…

【 本 】ドイツ語で必殺技を作る-『幻想世界11ヶ国語 ネーミング辞典』

ワールドカップ終わっちゃいましたね。これから何を楽しみに生きていけば‥‥‥という、だらしない大人の愚痴はともかく。自分の好きなチームを応援したり、神業・妙技に酔いしれたり、イケメン選手を追いかけたり、楽しみ方はひとそれぞれだったかと。わたしの…

【マンガ】お伽話の世界に飛び跳ねるうさぎたち-『ご注文はうさぎですか?』

タイトルにぞっこん惚れてしまった。『ご注文はうさぎですか?』なにこのタイトル、文学性に溢れるっていうか、詩情に溢れるっていうか、んー、もう、ただただ素敵。しかし、マンガが進むに連れて、けっこう重い(?)事情があることを知り、それはそれで笑…