Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

 本 

【 本 】エヴァも真っ青な情報操作、矛盾を内包するミステリアスな女性-『マグダラのマリア』

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の壁に残る、レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』。そのなかのこのひと(赤丸)。 拡大したものが以下。 ここに登場する、イエス・キリストと十二使徒は全員男性。……だと考えられてきました。少なくとも、聖書…

【 本 】意識高い系がもたらす喜劇、現代人の寓話-『ゴドーを待ちながら』

読んでいて、意味がわからなさすぎてワロタ!/(^o^)\で、読解モードのレベルをぐーんとあげたヨ。当分、このレベルでは書きません♪……疲れた。 『ゴドーを待ちながら』の概略 「パリ直輸入の爆笑コメディ」という謳い文句と共にアメリカで初日の幕を開いた…

【 本 】エブリバディ・ラブズ・ブックス!-『本は、これから』

最近、Amazonで電子書籍が50%オフの大盤振る舞いでした。Kindleの市場を広げようと、なかなか大胆なことをやりおります。 わたしの個人的な意見としましては、本来、紙の本と電子書籍は対立するものではありません。映画を観るときに、大画面好きは劇場に…

【 本 】「猫好きに悪い人はいない!」-『にゃんそろじー』

こんにちは、猫が好きなのに猫アレルギーという野々宮さくらたんです。 猫がそばにいると、最初はくしゃみ、そのうち発作がおきてくるので、結構シャレにならんス。でも、嫌いになれないんだよなあ。あのすべすべした頭やとんがった耳、歩くときなんかの艶め…

【マンガ】西尾維新の物語に漫画家たちの個性がトッピング-『大斬』

見ていると、毎月のように新刊が出ている気がする西尾維新さん。もちろん、そんなことはありませんが、そう錯覚させるくらい速筆であることは間違いないようです。こんなまとめサイトがあるくらいですから。 <a href="http://matome.naver.jp/odai/2133475127384680801" data-mce-href="http://matome.naver.jp/odai/2133475127384680801">作家・西尾維新の速筆伝説 - NAVER まとめ</a>matome.…

【 本 】これだけの顔ぶれが一冊で読めるのは短篇集だからこそ-『短編復活』

長編小説は、どれだけ興味のある分野でも、ときに重く感じます。 作者が決めたひとつのテーマとじっくり向き合うわけですから、読むほうもそれなりの覚悟が求められます。言うなれば、作者と読者の一騎打ち。 無理して読んでも、読後感にそれだけの余韻が残…

【 本 】読書好きな人が読むとこころが痛くなる-『読書について』

哲学者なんて、身体も動かさず、頭のなかだけでうじうじものを考える、なまっちろい、よく言えばデリケート、わるく言えばナイーブなひと。 だと、思っていました。 しかし、ショウペンハウエル『読書について』を読んだとき、こういう激しいひともいるのか…

【 本 】アイルランドミントの香り漂う儚き神話世界-『ペガーナの神々』

世界にある宗教は、大別すると一神教と多神教になります。 一神教は、砂漠や狩猟が行われていた地域に成立しました。生存環境が厳しく、みんなで集まって相談なんかしてた日には全滅しちゃうぜ、みたいな場所ですね。可及的速やかにジャッジをくだすには、な…

【 本 】まんが表現の極めつけ、これは辞典です!-『マンガの読み方』

1995年に発売された、ちょっと古い本なのですが。 まんがを「線」「記号」「言葉」「コマ」の要素から徹底的に分析しています。大学の論文というか、もはや一分野の研究レベル。あまりに内容が濃すぎて、頭がクラクラしてきます。 執筆者には、竹熊健太郎さ…

【 本 】メディアを行き来する作品たちの変容-『まんがはいかにして映画になろうとしたか』

表紙を見るとチャラい感じを受けますが、一応、大学の論文集。大塚英志さんの『まんがはいかにして映画になろうとしたか』。たまにこういうお堅いものも読みたくなる。 映画表現をマンガへと翻訳し続けた手塚治虫さん、石ノ森章太郎さん。その後、大勢の作家…

【 本 】イルカ跳ね、飛行機墜ちる南米の密林-『イルカと墜落』

沢木耕太郎さんには大変申し訳ない。古本屋で叩き売りされていました。 これまでにも『深夜特急』『人間の砂漠』『テロルの決算』などを読み、沢木さんの作風というか、文体に痺れておりました。ハードボイルドさ、苛酷さ、重さ、眼差しの暖かさなど。 しか…

【 本 】創作の「極意」と「掟」、31箇条を極限まで要約-『創作の極意と掟』

昨日書いた、筒井康隆『創作の極意と掟』へ興味をお持ちの方が多い。 【 本 】創作志望者には目からうろこがてんこもり-『創作の極意と掟』 - Just Melancholyjust-melancholy.hatenablog.com ですので、今日はこちらに31の「極意」と「掟」を極限まで要約…

【 本 】創作志望者には目からうろこがてんこもり-『創作の極意と掟』

筒井康隆さんももう80歳! まだまだ元気にご活躍できるよう祈っております。しかし、一途に仕事を続けてきたひとほど、高齢になると、自分の技術を次世代に伝えたくなるもの。 そんな筒井さんが創作の技術やヒントを一冊の本にまとめてくれました。その名も…

【 本 】神や仏がいなくても、そこには人間がいるのです-『神も仏もありませぬ』

佐野洋子さんと言われてピンと来ないひとでも、絵本『100万回生きたねこ』の作者といえばわかるひとは多いと思います。 100万回生きたねこ (講談社の創作絵本) 作者: 佐野洋子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1977/10/19 メディア: 単行本 購入: 36人 ク…

【 本 】京都の旅がもっと楽しくなるトリビア満載-『京都通になる100の雑学』

前回書いた記事で、わたしが京都好きであることをお話しました。京都に関連する本だけでも100冊くらい読んでいるので、毎日一本記事を書くとして三ヶ月はもつ計算です。 面白きことは良きことなり!狸と天狗と人間の三つ巴-『有頂天家族』 - Just Melanchol…

【 本 】面白きことは良きことなり!狸と天狗と人間の三つ巴-『有頂天家族』

京都では、狸と天狗と人間が共存しています。狸は物陰を徘徊し、天狗は大空を舞い、その真ん中に人間さまがどんと居座っている。「そんな馬鹿げた話」と思うひと、ぜひ本書『有頂天家族』でその事実をお確かめください。 下鴨神社の糺の森に暮らす狸、下鴨総…

【 本 】上司から部下までひとの使い方を将棋で指南、駒使いが人生を制する-『勝負』

今週のお題「最近おもしろかった本」 昭和の時代に活躍した将棋の名人、升田幸三さん。 対戦した名人相手に「名人など所詮はゴミだ」と言ったら、相手がカチンときて「じゃあ、君は一体なんだ」と。すると「ゴミにたかるハエだな」と交わすユーモア。 大のヘ…

【 本 】ターミネーターのようなヒットマンに痺れる、映画もオススメ-『血と暴力の国』

トミー・リー・ジョーンズとハビエル・バルデムが共演した『ノーカントリー』という映画がありました。 ノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray] 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 発売日: 2012/…

【 本 】ひとは間違ったことを言い続けてきました-『珍説愚説辞典』

世間には、「なるほど!」と思わせる素晴らしいアイディア・意見があります。一方には「ナンダコレハ?」というような珍説・愚説もまた存在します。 今なら2ちゃんねるのコピペスレが有名。これとかですね。 705 名前:Trader@Live!:2008/03/01(土) 00:22…

【 本 】うでとでぶどっちがいい、目眩がする究極の選択-『デブを捨てに』

『独白するユニバーサル横メルカトル』 『いま、殺りにゆきます』 『ミサイルマン』 『或るろくでなしの死』…… 平山夢明さんのタイトル、気が狂っているのにソリッドな感じが好きです。いえいえ、気が狂っている「から」ソリッドなのかな? 最新作『デブを捨…

【 本 】怖すぎ!京都の連続殺人事件を予言していた?-『後妻業』黒川博行

──殺したひとの数が多すぎて、犯人自身もよく覚えていない。 関西全域にわたって起きた内縁の妻による連続殺人事件。警察も裏付け捜査に難航しているようで、まるでコントかたちの悪い冗談です。 底なし沼化した筧千佐子被告の連続殺人 新たに4人の内縁の夫…

【 本 】オタクは人間ではなくて動物だったの?-『動物化するポストモダン』

先週の神田祭はすごかったですね。 わたしは神田明神には行かず、秋葉原だけだったんですけども、街のなかにまさしく「古今東西硬軟聖俗」がひしめき合っていました。大手町にあった神田明神が今の場所に移って400年目という節目の年に当っていたこともあり…

【 本 】自分の見た目が気になる気になる-『卒アル写真で将来はわかる』

ひとは見かけによらぬもの、見た目でひとを判断するな、名は体をあらわす、目は口ほどに物を言う、『人は見た目が9割』、見掛け倒し、猫かぶり、名実一体……などなど。これらはみな、ひとの内面と外面がどれくらいかけ離れているか、あるいは似通っているか…

【マンガ】フツーの女子中学生がいちばん可愛い-『千と万』

中学生になりたての詩万ちゃんはお父さんとふたり暮らし。こころはともかく、体だけはどんどん大人になっていくお年頃。初潮が来てしまったことで、自分がオンナであること、オトナになることを否が応でも自覚せざるを得ません。でも、オトメゴコロを多少な…

【 本 】明日から本気出す()の恐怖-『タタール人の砂漠』

目の前に広がるのは茫漠たる砂漠。なぜ、こんな辺鄙なところに国境警備の砦があるのかと、新人将校ドローゴは不審に思いつつも着任します。どんな必要があり、守備を行っているのか先任のひとびとに尋ねると、砂漠の果てには異民族のタタール人がおり、彼ら…

【 本 】愉快犯?確信犯?ふざけたタイトル、シリアスな物語-『連続殺人鬼 カエル男』

マンションの高層階から蓑虫のようにぶらさがる女。でも、それは口から鼻の横へかけて貫通するようにフックでぶらさげられています。こんな衝撃的なシーンから『連続殺人鬼 カエル男』の物語は始まります。死体のそばには警察を挑発するとも、犯人の自己顕示…

【 本 】世界と最愛のひととの両天秤-『11/22/63』

なんて読むのだろうと思ったけど「イチイチニーニーロクサン」でいいのでしょう。ケネディ大統領がテキサス州ダラスでブローン・アウェイ、つまり暗殺された日をタイトルにしたスティーヴン・キング『11/22/63』。主人公のジェイクは友人のアルから、過去へ…

【 本 】今日、あなたの頭上に振りかかるかもしれない悪夢-『夏の災厄』

それはインドネシア近くの島でひっそりと始まった。兆候は少し前からあった。鳥の鳴き声が島から消え、やがてそれと入れ代わるように奇病があらわれる。子供たちは、島を訪れた医師たちによってどこかへ連れ去られていた。 閉めきった家々の戸口から、鼻をつ…

【 本 】真夏の夜の百物語より8編-『百物語』

今、百物語を行うと、どんな物語が集まるのだろう。 怪談には、 目に見える現象を科学的に説明できないから、怪異で辻褄を合わす 正論として語ると押し付けがましくなるので、怪異を用いた因果話として語る 風説・風評に尾ひれ、例えば因果関係であったり擬…

【 本 】あなたを縛るものから解き放つ簡単なこころみ-『弱いつながり 検索ワードを探す旅』

哲学者の東浩紀先生にしては珍しいタイプの本だというので、ツイッターで話題になっていた。 『弱いつながり』 「弱い」というキーワード。以前に松岡正剛『フラジャイル』を読んで以来、気になっていた言葉。世界は「強さ」を求める。経済も、政治も、軍事…