Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【140字小説】#0021

ひとけのない遊園地。天蓋を覆う満月は、雲の影を地上に描く。ミラーハウスは無限の肖像を映しだし、コーヒーカップは空漠の陶酔を注ぐ。沈黙の裂け目から忍び入る笑い声が耳朶に触れる。那辺にコンセントを求めるか。それさえあれば、僕は瞬く間に世界の総てに祝祭と福音のテロルを灯してみせるのに。