【140字小説】#0032
砂の城が崩れるように、あなたの返信はどんどん短く、つれなく、間遠になっていく。それはもはや言葉ではなくて、記号だった。解読するほどの裏の意味もないのだろう。記号には信号を返すだけ。わたしの心を占めているのは、点と線。匂いも暖かさも厚みも音もない世界。不在こそがわたしの存在の証明。
砂の城が崩れるように、あなたの返信はどんどん短く、つれなく、間遠になっていく。それはもはや言葉ではなくて、記号だった。解読するほどの裏の意味もないのだろう。記号には信号を返すだけ。わたしの心を占めているのは、点と線。匂いも暖かさも厚みも音もない世界。不在こそがわたしの存在の証明。