【140字小説】#0037
川べりのレストランで転勤になるボクにささやかな歓送会。友人たちは妻の同伴を望んだ。会が開き、駅へ移動する途中で妻が「熱がある」と言う。手近なベンチに腰掛け、休む。川を挟んで、さっきのレストランが見えた。川面に店の明かりが反射し、ゆらめく。熱のこもる妻の体から憧憬の匂いが立ち昇る。
川べりのレストランで転勤になるボクにささやかな歓送会。友人たちは妻の同伴を望んだ。会が開き、駅へ移動する途中で妻が「熱がある」と言う。手近なベンチに腰掛け、休む。川を挟んで、さっきのレストランが見えた。川面に店の明かりが反射し、ゆらめく。熱のこもる妻の体から憧憬の匂いが立ち昇る。