Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【140字小説】#0048

長い石段を駆け登る、駆け下りる。段々に打ち付けられる下駄の朴歯の音が四方八方へ乱れ飛ぶ。幽霊たちにぶつからぬよう、彼らの隙間で体を捻り、裾をはためかせ、ときおり石段に手をつくようにまろぶ。狐の面をつけた彼女が狐のようにしっぽを波打たせ、おいでをおいでをしている。ワルプルギスの宴。