【140字小説】#0050
道はゆるやかに蛇行しているが、遠く彼方まで見通せる。太陽の斥力に潰され、無菌状態の道はどこまでも、徹底して不在だ。空気まで燃焼したかのように、体から吹き出る水蒸気は瞬く間に霧散する。道端に生い茂る向日葵たちが、まるで首を吊ったひとのように微動だにせず、アスファルトを見つめていた。
道はゆるやかに蛇行しているが、遠く彼方まで見通せる。太陽の斥力に潰され、無菌状態の道はどこまでも、徹底して不在だ。空気まで燃焼したかのように、体から吹き出る水蒸気は瞬く間に霧散する。道端に生い茂る向日葵たちが、まるで首を吊ったひとのように微動だにせず、アスファルトを見つめていた。