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Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【創文メモ】隠喩(メタファー)・換喩(メトニミー)・提喩(シネクドキ)

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前回は、「直喩・隠喩(メタファー)・換喩(メトニミー)・提喩(シネクドキ)」という代表的な比喩のうち、直喩について説明をしました。

今回は、隠喩(メタファー)について(オマケとして換喩と提喩)。

隠喩とは

いん‐ゆ【隠喩】

比喩法の一。「…のようだ」「…のごとし」などの形を用いず、そのものの特徴を直接他のもので表現する方法。「花のかんばせ」「金は力なり」の類。暗喩。隠喩法。メタファー。

デジタル大辞泉より)

 

直喩と隠喩の違いは、「ように・ような・みたいに・みたいな」というマーカーがあるかどうか、という点に尽きます。大辞泉の解説のなかにある例を「花のようなかんばせ」「金は力みたいなものなり」とすれば、これは直喩です。

直喩を使っても隠喩を使っても、何かで何かを喩えるという結果は同じなのですが、それを読んだわたしたちの印象、すなわち効果が変わります。

暗喩は直喩よりも、文字数が少ないぶん、簡潔で、キレが良い
ただし、比喩の目印「ように・ような・みたいに・みたいな」がないぶん、使い方によっては読者が混乱する

 

たとえば、

これを「陥穽にかかった獣の焦燥を感じて」とすると、暗喩を飛び越え、いらだっている獣そのものがあらわれます。「獣のような焦燥」と「獣の焦燥」では表現したい対象が変わってしまいます。

もういっちょ、

こちらも「仏像のような顔」と「仏像の顔」では、まったく別物。
もちろん、前後の文脈でこうした混乱は避けられることがほとんどですが、隠喩の多用が読み手に負担をかけることは知っておく必要があります。
文章のキレが良くなるので、どうしても使いたくなってしまうのですが(汗)

ちなみに、隠喩と暗喩は同じものですので、お間違えなきよう。 

 

隠喩の作り方

ここで、隠喩の作り方をご紹介。
この方法を使うことで簡単に隠喩が作れます。

隠喩を使って例えたい「◯◯」について、

  1. 「◯◯といえば△△、△△といえば☆☆」と二回連想ゲームを行う。
  2. 「◯◯」と「☆☆」をつなげ、「◯◯は☆☆である」とする。

これだけです。

  • 母の心といえば広く深い、広く深いといえば海。
    →母の心は海である、もしくは、母は海である。
  • 自動車といえば走る、走るといえば獣。
    →自動車は獣である。
  • スタバといえば勉強しているひと、勉強しているひとといえば書斎。
    →スタバは書斎である(いつもお世話になってます)。
  • ブラック企業といえばめられない、められないといえば覚醒剤
    ブラック企業覚醒剤である。
  • アキハバラといえばゲーム・アニメ、ゲーム・アニメといえば趣味。
    アキハバラは趣都である(by. 森川嘉一郎)。

このとき「カレーライスといえば福神漬け、福神漬けといえば甘い」とすると、「カレーライスは甘い」となり、ゲシュタルト崩壊を引き起こします。読み手は「???」です。よほど、突飛な議論をその後に展開するならともかく、いくらこの方法が簡単といっても、試行錯誤は必要ですよ♪

 

換喩(メトニミー)と提喩(シネクドキ)

この両者は、ちょっと調べてもらうとわかりますが、隣接している概念が云々、上位概念が下位概念を云々、と非常にわかりにくいです。しかも、換喩か提喩かはっきり分類できないような比喩もある。
本気で勉強しようと思ったら、さまざまな学術論文に目を通す必要があるほどめんどくさいので、今日はわたしが開発した見分け方をご紹介。

文章を書きながら、これはメトニミー、これはシネクドキ、と考えることは99.99999%ありません。
忘れてしまってもノープロブレム (^ω^)

 

換喩の見分け方
具体例を指し示す言葉を補えるなら換喩です。

  • たてがみが吠える
    たてがみ(を生やしたライオン)が吠える。
  • 永田町が紛糾している。
    永田町(にある国会)が紛糾している。
  • バイが追ってくる。
    バイ(に乗った警官)が追ってくる。
  • 伊勢の鳥居が見えてくる。
    伊勢(にある神宮)の(神社に建つ)鳥居が見えてくる。

 

提喩の見分け方
「というカテゴリーに含まれる◯◯」、「に代表される◯◯」という定型句を補えるなら提喩です。

大きいカテゴリーから具体例を想像させる(特殊化)

  • 花見に行く。
    花(というカテゴリーに含まれる桜を)見に行く
  • 白いものが降ってくる。
    白いもの(というカテゴリーに含まれる雪)が降ってくる。
  • 「問題ない たった今 予備が届いた」
    「問題ない たった今 予備(のカテゴリーに含まれる碇シンジ)が届いた」

具体例から大きいカテゴリーを想像させる(一般化)

  • ご飯を食べようよ。
    ご飯(に代表される食事)を食べようよ。
  • ミンクを着る。
    ミンク(に代表される毛皮のコート)を着る。

 

わたしたちが何気なく使っている比喩には、このように細かい分類があります。しかも、比喩だと思って使っていないことのほうが多い。
一方で、中二病的な文章をつくろうと思ったらゴテゴテの比喩を多用するといいです。めんどくさい文章ができあがり、一応、それらしくなるはず。
そうでなければ、比喩は用量、用法を守って正しく使いましょう。(・∀・)