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Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【創文メモ】これは役に立つ! 天使で書く文章術

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前回、テーマについて話しましたが、その話はここへつながってきます。

 

小説のような、自由度の高いものはともかく、新聞のような情報伝達を優先する文章は、このかたちを覚えておくと「らしく」書けます。

その名も「セラフ文章術」……って、わたし、ネーミング・センスがないひとなんですが、一応、「Seraphim(熾天使)」にあやかり、天使っぽくまとめてみました。

これを覚えておくと、いろいろな「作文」で使えると思いますよ。

 

Subject(テーマ)
取りあげる事件・出来事について明確にします。

Explanation(説 明)
事件・出来事についての詳細な説明を行います。

Reason(理 由)
事件・出来事が起きた背景を述べます。

Another(別視点)
理由以外に考えられる、もうひとつの視点や情報を盛り込みます。

Future(未 来)
事件・出来事が今後どのように展開・推移するのかを書きます。

 

これだけ書かれてもイマイチわかりませんよね。

わたしの過去記事から例題を出しましょう。

 ジャン!

just-melancholy.hatenablog.com

 

わたしが『有頂天家族』を紹介した記事を「セラフ文章術」を使って、再構成してみたいと思います。

 

Subject(テーマ)
森見登美彦さんの『有頂天家族』を読みました。

Explanation(説明)
京都市内を舞台に狸と天狗と人間が三つ巴になってドタバタを繰り広げる物語。次期狸社会の覇権を競って、四兄弟と叔父の激突も見もの。

Reason(理由)
森見さんの作品は以前から読んでいましたが、本作に関しては漏れていました。少し前に続刊が発売されたのを期に読むことに。

Another(別視点)
本作はアニメ化もされていて、そちらも以前から気になっていました。原作を読む前にアニメを観てしまうのもどうかと。

Future(未来)
本作は3部作になることが決定しており、狸四兄弟の一層の活躍が期待されます。

 

【完成文】

先日、森見登美彦『有頂天家族』を読んだ。
京都市内を舞台に狸と天狗と人間の三つ巴。
次期狸社会の頂点を巡る、若き四兄弟と悪辣
な叔父のバトルを軸に兄弟愛が描かれる。氏
の著作はいろいろ読んでいたが、本作は手つ
かず。第二巻が発売されたタイミングで買い
求め、読む。愉快、痛快、欣快。アニメにも
なってるが、そちらを鑑賞する前に是非とも
活字を読むべし。三部作が予定されているの
で、狸四兄弟たちの一層の活躍に期待高まる。
(201字)

 

たった200字ですが、結構情報を詰め込めますよね?

 

前回、テーマを「判断」だと説明したのは、そこがないと、理由以降の部分が書けなくなってしまうからです。たとえば、『有頂天家族』についてだけ書こうとしたら、おそらくあらすじと感想だけがダラダラ続く、メリハリのない文章になってしまいます。
文章を普段から書き慣れており、言わずとも題材の背景に思いを巡らしているひとならば全然問題ありません。

 

新聞の記事なんかも結構このかたちで書かれています。
試しに直近の記事をピックアップ、分析してみました。

blog.livedoor.jp

 

これCMを観ると、女の子たちがヘブンモード入っていますよね。百合好きさくらさんは別に気にならな……、そんなこたあ、どうでもいいので、分析に入りましょう。ちょっと長いですが、全文掲載。

 

Subject(テーマ)

 最近、スマートフォン用のゲームのテレビCMに疑問を感じている。

Explanation(説明)

プレーヤーは女子校の教師として中学生や高校生の子を特訓し、敵と戦わせるというゲームだが、女の子をなでて仲良くなることを売りの一つにしている。女の子の絵が表示されているスマホの画面をなでるのだ。CMでも頭をなでられた子が喜々としているアニメが流れる。

Reason(理由)

 私は塾で小・中学生を教えているが、褒める時に頭をなでたりしないし、塾も生徒の体に触れることを当然禁止している。学校現場でも生徒の頭を安易になでると問題になることがある。「出来ないからこそゲームの中でやってみたい」という思いをゲームにしたのかもしれないが、不快感を覚える人もいるだろう。

Another(別視点)

 ゲームのホームページには心理学者のインタビューが載っていて、なでるコミュニケーションは生きる上で必要なことだと肯定している。だが問題なのは、なでると無条件に喜ぶ愛玩動物のように女の子をみている視点だ。CMからもそのように感じられた。

Future(未来) 

そうした宣伝の是非を企業は考えなかったのだろうか。

 

最後の「Future(未来)」は「考えなかったのだろうか(いや、将来考えるべきだ)」と捉えてみるといいんじゃないでしょうか。きれいに分けられましたよね。

プロほど、案外、何かの「基本形」に忠実なのです。そこがシロウトの場合、かたちを守らないので「かたなし」になってしまいます。このかたちを知っていると、ひとに伝える内容に格段に厚みが出てくると思います。良かったら、お試しください♪

 

わたしも朦朧と書いているときなど、こうしたことが頭から抜け、カオナシならぬカタナシになっています(汗)