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Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【マンガ】死んでも死んでも死んでも生き返るやつ-『伊藤潤二 恐怖マンガCollection 1 富江』

///奇想に次ぐ奇想で読者を圧倒してくれる伊藤潤二先生。その伊藤先生のもはや代名詞と言っても差し支えない、デビュー作『富江』。今さら、本作について細かい解説は不要だと思うが、念のためWikiのものを掲載しておく。肉片がひとつひとつ再生していくだの、無数に増殖していくだの、プラナリアという生き物みたい。あの生き物も細切れにした数だけ元のかたちに戻るんでした。

川上富江は、長い黒髪、妖しげな目つき、左目の泣きぼくろが印象的な、絶世の美貌を持った少女。性格は傲慢で身勝手、自身の美貌を鼻にかけ、言い寄る男たちを女王様気取りで下僕のようにあしらう。だが、その魔性とも言える魅力を目にした男たちは皆、魅せられてゆく。
やがて、富江に恋する男たちは例外無く彼女に異常な殺意を抱き始める。ある者は富江を他の男に渡さず自分が独占したいため、ある者は富江の高慢な性格に挑発され、ある者は富江の存在の恐怖に駆られ、彼女を殺害する。
しかし、富江は死なない。何度殺害されても甦る。身体をバラバラに切り刻もうものなら、その肉片1つ1つが再生し、それぞれ死亡前と同じ風貌と人格を備えた別々の富江となる。たとえ細胞の1個からでも、血液の1滴からでも甦り、富江は無数に増殖してゆく。そして、その富江たちがそれぞれ、男たちの心を狂わせてゆく。
これは、そんな魔の美少女・富江と彼女に関わることによって人生を誤る男たち、そして彼らを取り巻く人々の人間模様を描いた物語である。

///そんな『富江』を今日は紹介するけど、わたしの底本は朝日ソノラマから出ている『恐怖漫画Collection』(全16巻)なので、改めて読みたくなったぜーなひとは、朝日新聞出版から発売されている『伊藤潤二傑作集』(全11巻)をどうぞ。前者は古書でしか入手できず。

///デビュー作でもあり、代表作でもある『富江』。彼女は担任の先生と良い関係に。クラスの課外授業のとき、お腹に赤ちゃんがいるからと奥さんとの離婚を先生に迫る富江。そこへ、嫉妬に狂ったクラスメートの男子が介入。いやあ、飛び込むなよとは思うのですが、ほおら、案の定、喧嘩のはずみで富江が死んでしまう。すわ、一大事という事態にクラス全体でくだした決断は、富江をバラバラにして人目につかぬよう捨てちまうこと・・・えーーーーーっ!!!!! みんな、発想が飛躍しすぎ。いやいや、これも富江のもつ〈嫌われパワー〉がそうさせてしまうのでしょう。

///ってなことで、おーし、みんな返り血を浴びないようにパンツ一丁になれ。うほーい・・・って、このビジュアル。いろいろな意味でやばいwww クラスには女子もいて、彼女たちはバラバラ作業に参加しないが、先生と男子のようすをどのように見守っていたのだろーか。

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ブリーフ派ですか!

 

///ところが! 切っている最中に、死んでいると思っていた富江が蘇生してしまった。まあ、気を失っていたんでしょうな。

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先生、場当たりにもほどがあるっす!

 

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妙なところで律儀な先生。

 

///なんか、コメディマンガのような紹介になっているけど、本編を読むと、むちゃくちゃ怖いのでご安心を。

 

///『富江・写真』。好意を寄せている男子から富江の撮影を依頼されるカメラ女子。で、嫉妬に燃えたぎるカメラ女子は・・・。

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ここまで嫌われる富江ちゃんは、ムシスカンでも飲んでいるのか?

(参考画像)
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///でも、カメラの目はごまかされない! 

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ピカソかなんかですか?

 

///カメラ女子、口論の末に言ってはならないNGワードを口走ってしまう。バケモノであることに間違いはないのだが「バケモノ」は地雷。

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メンヘルさん、いらっしゃい。

 

///で、いろいろあった末にこんなビジュアルが最後にやってくる。何があったんでしょうネ。

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頭の部分、印刷ミスじゃないよ。

 

///『富江・接吻』。キスじゃない、接吻。伊藤先生の美学がかいま見える? 『富江・写真』からつながっている物語。

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男なしでは生きられない。ニンフォマニア富江ちゃん。

 

///『富江・屋敷』。『富江・写真』『富江・接吻』と続いてきた物語は、一応、このエピソードで完結。富江自体は不死なんだから終わりようがないんだけど。わたし的には、エピソード終盤に登場する富江のラスボスみたいなのがキてました。おじいさんが「私の娘」だという富江の姿、けっこう、トラウマものっす。あ、この生首の酢漬けではないよ。

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富江の正体は、みなさん自身で確かめて欲しい。インパクト大。

 

///『富江・復讐(リベンジ)』。すごいタイトル。かつてのVシネマかなんぞのようです。これもラストシーン、アカンやつや、な感じ。のっけから雪山に全裸で転がる富江。このあたりの素っ頓狂な発想がたまらないです、伊藤先生!

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あり得ない絵づら。読者こそその理由が知りたいです。

 

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そうそう、この恨みがましい目つき! 痺れる!

 

///『富江・滝壺』。タイトルの付け方も大概ですが、怖さのクオリティは変わらない。物語の途中、滝壺から男の死体が上がる。これがまたけっこうグロい。富江にも匹敵しようかというおぞましさ。

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死体の絵は、ご自身でひっそりお確かめください。

 

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こっちで釣れたのは、富江ちゃんです。

 

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富江のすべてが象徴されているセリフ。

 

///さあ、駆け足で見てきたが、千変万化のグロテスクな姿を見せる富江ちゃん。貞子と伽倻子という超常霊よりも、わたし的にはやはり人間としての肉体が備わっている富江かな。怖さの生々しさが違う。

///こんな調子で、以後も伊藤先生の作品を紹介していきますので。飽きずにお付き合いくださいね♪

 

伊藤潤二恐怖マンガCollection (1)

伊藤潤二恐怖マンガCollection (1)

 
伊藤潤二傑作集1 富江 上

伊藤潤二傑作集1 富江 上