Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【創作のタネ】文集に秘められた三十三年前の真実-米澤穂信『氷菓』

 

氷菓 (角川文庫)

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 

【あらすじ】

省エネをモットーとする高校生・折木奉太郎は、なりゆきから古典部に入部する。そこで出会った少女・千反田えるや、友人の福部、伊原との交友を通じて、折木はいくつもの事件の解明に奔走することになる。いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。千反田は、行方不明になった伯父の手がかりが文集にあるという。

【創作のタネ】

文集『氷菓』に込められた謎とは何だったのか? 氷菓とは「アイス・クリーム」のことであると同時に「アイ・スクリーム(わたしは叫ぶ)」のダブルミーニングになっている。文化祭にまつわるトラブルを一身に背負わされ、全校生徒の人身御供となって高校を去らねばならなかった千反田の伯父。弱い人間は、悲鳴をあげることもできずに、生きたまま死んでいく。でもわたしは叫んでいた。これが文集のタイトルに込められた真意だったのだ。


《平凡な日常生活と、その裏側に隠された残酷な真実のコントラスト。》  

氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)