【創作のタネ】少女がひた隠す怪異に願ったものの正体とは-西尾維新「ひたぎクラブ」
【創作のタネ】以下はネタバレになります。
【あらすじ】
高校3年生の阿良々木暦の前にひとりの少女があらわれる。彼女の名前は戦場ヶ原ひたぎ。自分に体重がない秘密を阿良々木に知られたことから、彼に対して非常に攻撃的な態度を取る。しかし阿良々木は自分にその「怪異」を解決できるかも知れないと、あらために彼女に接触する。半信半疑な気持ちから彼の勧めに従う戦場ヶ原。ふたりで訪れた学習塾跡の建物には忍野メメという怪異の専門家がいて、彼女に取り憑いているのは蟹だという。
【創作のタネ】
なぜ蟹の怪異は戦場ヶ原に取り憑いたのか? 怪異が顕われるには現われるだけの理由がある。問題を解消するには、それを明らかにしなければならない。戦場ヶ原は新興宗教に狂った母親を見捨てていた。蟹の怪異は、母の煩わしさを引き受ける代わりに、戦場ヶ原の体重を捧げ物として受け取ったのだった。「思い」と「重い」は等価交換なのである。問題を姑息に遠ざけみても、それは不自然なことであり、そこに怪異は取り憑くのだった。
《怪異の発現とは、怪異を招き寄せるひとの願望が為すもの。》
- 作者: 西尾維新,VOFAN
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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