【創作のタネ】ひとの愚かしさのドミノゲーム-小松左京『復活の日』
【創作のタネ】以下はネタバレになります。
【あらすじ】
イギリスの細菌研究所で極秘裏に開発された新型ウイルス。盗み出したスパイたちは輸送中の事故で、ウイルスを全世界に拡散してしまう。有効な対抗策を見つけられないまま、人類の大半がウイルスの引き起こす心臓発作によって死滅する。南極の越冬基地に暮らす人類の生き残り。ところが、今度は機械による核戦争の危機が彼らを見舞う。巨大地震が核攻撃と誤認された場合、報復措置としての核爆弾が自動的に発射されてしまうのだった。
【創作のタネ】
人類に生き残る道はあるのか? 核攻撃の報復システムを停止させるため、決死隊がアメリカとソ連に送り込まれるが、あともう少しのところで間に合わない。巨大地震を核攻撃と見做したアメリカは核弾頭ミサイルを自動発射する。それに対してソ連からも報復としてミサイルが発射される。ところが、双方の核兵器の爆発によってばら撒かれた中性子がウイルスを無害化し、皮肉にも生き残った人類を救う。毒をもって毒を制すとはこのこと。
《ひとにとって最悪の結果をもたらすものがまたひとを救う。技術のアイロニー。》