【創作のタネ】老婆の飼い猫が執拗につけ狙う-ロバート・ブロック『猫の影』
【創作のタネ】以下はネタバレになります。
【あらすじ】
学級委員長選挙での当選をめざすロニーだが、その正体は、親に隠れて煙草を吸い、弱い者いじめをするワル。そんな彼も黒猫を飼う老婆ミングルには頭があがらない。ある日、黒猫を虐めようとして逆に老婆に叱られる。屈辱を抱えつつ、夜、彼女の家の前を通りかかったとき、いつもの癖で火のついた煙草をその庭に投げ棄てる。強風に煽られた吸い殻は家に引火すると、老婆もろとも燃やし尽くす。その直後から黒猫が彼をつけまわし始めた。
【創作のタネ】
黒猫に狙われるロニーはどうなったか? 猫は、老婆を死なせて怯えるロニーを執拗に追跡する。猫のせいで登校できない彼は自宅に戻ると、布団をとっかぶり部屋に引きこもる。ところが夕飯時、猫は空いたままの窓から部屋へ侵入すると、彼に襲いかかりその舌を食い千切る。母親が駆けつけ、問いかけても答えないロニーに質問を重ねる。「猫に舌でも噛み切られてしまったのか」と。これは「なぜ黙っているの」という意味の英語の慣用句。
《古典的な慣用句を字面通り解釈して恐怖譚に仕立てる。》
- 作者: ロバート・ブロック,ブラム・ストーカー,スティーブン・ヴィンセント・ベネー,マイケル・ジョーゼフ,矢野浩三郎,大久保浩
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 1999/04/25
- メディア: 単行本
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