Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【創作のタネ】食糧が足りなければ、食べる者を減らせばいい-藤子・F・不二雄「間引き」

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 【あらすじ】 人口が増え、食糧事情が悪化する日本。食糧の配給制が復活する。コインロッカーの管理人は妻と弁当のことでひと悶着を起こし、イライラしながら出勤する。職場にはひとりの新聞記者が来ていた。近年…

【創作のタネ】キートン最初の事件-浦沢直樹「迷宮の男」

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 【あらすじ】 ギリシアでひとりの男が崖から墜落死する。男には高額な保険金が掛けられていたが、その受取人に不審点が浮かぶ。大学講師と保険調査員という異色の顔をもつキートンは、事件の真相を調べるため現地…

【創作のタネ】わたしは「わたし」に異議を申し立てます-藤子・F・不二雄「自分会議」

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 【あらすじ】 青年は安アパートで部屋を借りる。ところが、はじめて見る部屋のはずなのに過去に連れて来られた覚えがある。怪訝に思っているところへ、宙からひとりの男が姿をあらわす。彼は、9年後の未来からや…

【創作のタネ】現代のグレゴール・ザムザの顛末-ジョー・ヒル「蝗の歌をきくがよい」

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 【あらすじ】 ある朝、フランシス・ケイが喜びに満ちた夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変ってしまっているのに気づいた。彼を見て気絶する父親とその愛人のもとから一旦は逃げ出し、身…

【創作のタネ】家族との距離感が難しい、高齢化社会に一石を投ずる-藤子・F・不二雄「じじぬき」

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 【あらすじ】 妻に先立たれたお爺さんのガンさんは、息子一家のなかで煙たがられている。食事がなかったり、別居を示唆されたり。小さな嫌がらせにガンさんもまた依怙地になる。あるとき、孫の嘘が引き起こした騒…

【創作のタネ】失墜する父親の「権威」は売れるか?-藤子・F・不二雄「オヤジ・ロック」

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 【あらすじ】 大人の背丈ほどもある岩の模型を売って歩くセールスマン。その名も「オヤジ・ロック」。岩は、ときに厳父と見立てられ、ときに慈父と見立てられ、親父の権威が失墜する現代家庭のなかで家族の心の隙…