【140字小説】#0003
夜空に鏤められた星々のように人々は地上で光を放つ。誰に気付かれることもなく、生れ、そして潰え去る光たち。「一年に一回でも会えるだけ、織姫と彦星はマシじゃない」不貞腐れているのか、嘲っているのかわからない口調の友の手を私は握る。表情を背けるようにしながら、彼女は強く握り返してきた。
夜空に鏤められた星々のように人々は地上で光を放つ。誰に気付かれることもなく、生れ、そして潰え去る光たち。「一年に一回でも会えるだけ、織姫と彦星はマシじゃない」不貞腐れているのか、嘲っているのかわからない口調の友の手を私は握る。表情を背けるようにしながら、彼女は強く握り返してきた。