Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【140字小説】#0038

この坂で転ぶと三年のうちに死ぬんだって。子供のとき、坂の途中の黒いアパート、あそこに死神がいると勝手に信じて、私、前を通るときはいつも駆け抜けてたんだ。でも、あるとき二階の窓を見上げたら、磨り硝子越しにひとの顔が見えたの。男か女かも分からなかった。でも、笑っているような気がした。