【140字小説】#0057
土でこしらえた人形に魂を吹き込む。彼は怪訝な表情を浮かべ、自分の両手を見て、指を開いたり閉じたりしている。首を巡らせわたしを見あげる。どうして自分がここにいるのかわからずに、腹を立てているようだ。わたしは声を出し、人形の運命を思って嗤ったが、わたしたちと同じであることに気付いた。
土でこしらえた人形に魂を吹き込む。彼は怪訝な表情を浮かべ、自分の両手を見て、指を開いたり閉じたりしている。首を巡らせわたしを見あげる。どうして自分がここにいるのかわからずに、腹を立てているようだ。わたしは声を出し、人形の運命を思って嗤ったが、わたしたちと同じであることに気付いた。