Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【創作のタネ】ひとを信じた先にある希望-山本周五郎「山椿」

(002)絆 (百年文庫)

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 

【あらすじ】

作事奉行の仕事を卒なくつとめる梶井主馬は、下僚を集めた飲み会すらもあまり好まないかた苦しい男。そんな彼が須藤きぬという女性を嫁にもらった。新婚初夜の晩、花嫁を誘う梶井だが、彼女は拒否。日を改めても、今度は母親の喪が明けていないと、きぬは同衾を拒絶する。なぜ嫌われるのか。強く迫る梶井に対して、ついには自害を決意。驚く梶井が彼女を押し留め、わけを尋ねると、彼女は泣き崩れる袖のしたから告白を始めたのだった。

【創作のタネ】

なぜきぬはそこまで梶井を拒否するのか? きぬには好いたダメ男がいた。しかし彼女によれば、男は優秀であるがために周囲の嫉妬を買い、陥れられているのだという。梶井はきぬを自害したことにして、彼女の想いを男にぶつける。そして自分の部下として本気を出して働いてみろと叱咤した。ダメ男は2年間で立派に更生し、梶井の養女になっていたきぬと改めて結婚する。四角四面だった梶井自身もまたこの一件でおおらかな性格になる。


《信じる気持ちが、ひとを変えてゆく。》 

(002)絆 (百年文庫)

(002)絆 (百年文庫)