【140字小説】#0047
手のラムネの瓶が汗をかく。神社の境内にずらりと並んだ古書を冷やかして見て歩く。一冊一冊の想念が次の継承者をじっと待ち構え、薄目で息を潜めている。この炎天下に木陰があるぶんだけましにせよ、ご苦労さまです。瓶をふと見ると、口をつけてもいないそれは空になっていた。そりゃ、喉も渇くよな。
手のラムネの瓶が汗をかく。神社の境内にずらりと並んだ古書を冷やかして見て歩く。一冊一冊の想念が次の継承者をじっと待ち構え、薄目で息を潜めている。この炎天下に木陰があるぶんだけましにせよ、ご苦労さまです。瓶をふと見ると、口をつけてもいないそれは空になっていた。そりゃ、喉も渇くよな。