Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【創作のタネ】老婆の飼い猫が執拗につけ狙う-ロバート・ブロック『猫の影』

猫の影 (恐怖と怪奇名作集6)

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 

【あらすじ】

学級委員長選挙での当選をめざすロニーだが、その正体は、親に隠れて煙草を吸い、弱い者いじめをするワル。そんな彼も黒猫を飼う老婆ミングルには頭があがらない。ある日、黒猫を虐めようとして逆に老婆に叱られる。屈辱を抱えつつ、夜、彼女の家の前を通りかかったとき、いつもの癖で火のついた煙草をその庭に投げ棄てる。強風に煽られた吸い殻は家に引火すると、老婆もろとも燃やし尽くす。その直後から黒猫が彼をつけまわし始めた。

【創作のタネ】

続きを読む

【創作のタネ】ひとの愚かしさのドミノゲーム-小松左京『復活の日』

復活の日〔新版〕

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 

【あらすじ】

イギリスの細菌研究所で極秘裏に開発された新型ウイルス。盗み出したスパイたちは輸送中の事故で、ウイルスを全世界に拡散してしまう。有効な対抗策を見つけられないまま、人類の大半がウイルスの引き起こす心臓発作によって死滅する。南極の越冬基地に暮らす人類の生き残り。ところが、今度は機械による核戦争の危機が彼らを見舞う。巨大地震が核攻撃と誤認された場合、報復措置としての核爆弾が自動的に発射されてしまうのだった。

【創作のタネ】

続きを読む

【創作のタネ】ひとを信じた先にある希望-山本周五郎「山椿」

(002)絆 (百年文庫)

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 

【あらすじ】

作事奉行の仕事を卒なくつとめる梶井主馬は、下僚を集めた飲み会すらもあまり好まないかた苦しい男。そんな彼が須藤きぬという女性を嫁にもらった。新婚初夜の晩、花嫁を誘う梶井だが、彼女は拒否。日を改めても、今度は母親の喪が明けていないと、きぬは同衾を拒絶する。なぜ嫌われるのか。強く迫る梶井に対して、ついには自害を決意。驚く梶井が彼女を押し留め、わけを尋ねると、彼女は泣き崩れる袖のしたから告白を始めたのだった。

【創作のタネ】

続きを読む

【創作のタネ】少女がひた隠す怪異に願ったものの正体とは-西尾維新「ひたぎクラブ」

 

化物語(上) (講談社BOX)

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 

【あらすじ】

高校3年生の阿良々木暦の前にひとりの少女があらわれる。彼女の名前は戦場ヶ原ひたぎ。自分に体重がない秘密を阿良々木に知られたことから、彼に対して非常に攻撃的な態度を取る。しかし阿良々木は自分にその「怪異」を解決できるかも知れないと、あらために彼女に接触する。半信半疑な気持ちから彼の勧めに従う戦場ヶ原。ふたりで訪れた学習塾跡の建物には忍野メメという怪異の専門家がいて、彼女に取り憑いているのは蟹だという。

【創作のタネ】

続きを読む

【創作のタネ】文集に秘められた三十三年前の真実-米澤穂信『氷菓』

 

氷菓 (角川文庫)

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 

【あらすじ】

省エネをモットーとする高校生・折木奉太郎は、なりゆきから古典部に入部する。そこで出会った少女・千反田えるや、友人の福部、伊原との交友を通じて、折木はいくつもの事件の解明に奔走することになる。いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。千反田は、行方不明になった伯父の手がかりが文集にあるという。

【創作のタネ】

続きを読む