【140字小説】#0018
荊棘が小径を抜けるとき、疵を濡らす腥き匂いに生命を思え。かの臭跡を辿り、駆り立てる者にこうべを巡らすこと勿れ。死がふたりを分かつときまで、か弱き手と手を白き紐帯がつなぎ止めよう。しろ百合のごと、かんばせにおもいはつのる。びろーどのごと、くろ髪よ、わがみをとらえよ、はしれよ、乙女。
荊棘が小径を抜けるとき、疵を濡らす腥き匂いに生命を思え。かの臭跡を辿り、駆り立てる者にこうべを巡らすこと勿れ。死がふたりを分かつときまで、か弱き手と手を白き紐帯がつなぎ止めよう。しろ百合のごと、かんばせにおもいはつのる。びろーどのごと、くろ髪よ、わがみをとらえよ、はしれよ、乙女。