【140字小説】#0049
暑いね。今日、世界が壊れていくんだって。ほら、天蓋の星々も崩れて地上に全部降り注いできそう。苺ミルクのジュースはこんなに甘いのに、あなたの齧る氷菓はそんなに涼しげな音をたてるのに。この夕焼けの空は今宵一杯。十六年しかなかったけれど、あなたの横でこうして過ごす終末は少しも悪くない。
暑いね。今日、世界が壊れていくんだって。ほら、天蓋の星々も崩れて地上に全部降り注いできそう。苺ミルクのジュースはこんなに甘いのに、あなたの齧る氷菓はそんなに涼しげな音をたてるのに。この夕焼けの空は今宵一杯。十六年しかなかったけれど、あなたの横でこうして過ごす終末は少しも悪くない。