【140字小説】#0072
双魚がふち取る円盤を回す老女。眺める俺。二本のマレットを手にした妖精[願わくは!]が、円盤の上部でそれが止まるまでのあいだトレモロを打ち鳴らす。盤面には、六つのイコンが彫られている。ひとの運命なぞ、その程度のバリエーションですむものなのだろう。回転が徐々に緩やかに、やがて止まる。
双魚がふち取る円盤を回す老女。眺める俺。二本のマレットを手にした妖精[願わくは!]が、円盤の上部でそれが止まるまでのあいだトレモロを打ち鳴らす。盤面には、六つのイコンが彫られている。ひとの運命なぞ、その程度のバリエーションですむものなのだろう。回転が徐々に緩やかに、やがて止まる。