Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【創作のタネ】現代のグレゴール・ザムザの顛末-ジョー・ヒル「蝗の歌をきくがよい」

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 

【あらすじ】

ある朝、フランシス・ケイが喜びに満ちた夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変ってしまっているのに気づいた。彼を見て気絶する父親とその愛人のもとから一旦は逃げ出し、身を隠すフランシス。しかし猛烈な空腹を抱えて再度実家に戻ったところ、父親がショットガンを手に射殺しようと待ち構えていた。フランシスは父親に体液を浴びせ溶かすと、その肉汁を啜り空腹を満たす。愛人の女のことは切り刻んで殺す。

【創作のタネ】

虫に変身したフランシスの運命は? 彼は、隠れ場所を求めて学校へ移動するが、そこで登校してきた大勢の生徒たちと鉢合わせする。親友だったエリックの喉笛に食らいつき噛み殺す。フランシスをさんざん苛めてきたヒューイを前肢の鋭い刃でずたずたに引き裂いて殺す。手当たり次第に殺す。やがて州軍が集まり彼を包囲するなか、フランシスは歌いながら空高く飛び立つのだった。フランシス・ケイとは、フランツ・カフカのもじりである。


《文学小説の着想を換骨奪胎し、新しい物語へと焼き直す。》  

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)