【創作のタネ】失墜する父親の「権威」は売れるか?-藤子・F・不二雄「オヤジ・ロック」
【創作のタネ】以下はネタバレになります。
【あらすじ】
大人の背丈ほどもある岩の模型を売って歩くセールスマン。その名も「オヤジ・ロック」。岩は、ときに厳父と見立てられ、ときに慈父と見立てられ、親父の権威が失墜する現代家庭のなかで家族の心の隙間を埋める存在になり得るという。しかし日本の住宅事情を鑑みたとき、場所を塞ぐこんなガラクタを喜んで買う客などいない。公園で出会ったもうひとりのセールスマンもまた、自分にもとびっきりの商品があるのに売れないと愚痴をこぼす。
【創作のタネ】
とびっきりの商品とは何か? 彼は時間旅行ができるベルトを売っている。眉唾に聞いていたオヤジ・ロックのセールスマンは、ベルトが本物ならば、オヤジ・ロックを売るアイディアがあると言い、売り上げの7割をレンタル料として支払うことでベルトを借り受ける。果たしてベルトは本物で、オヤジ・ロックは飛ぶように売れる。しかしレンタル料が惜しくなった男は、ベルトのセールスマンと喧嘩、売れる前に時間を巻き戻されてしまう。
《できない約束と背信行為によって目先の成功がけし飛ぶ。》

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