Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【だいあり】実はわたしは3人目なのでゲソ

自分の実力をわきまえないブログ主は2枚目にして、とんでもなく面倒くさい作品に手を出したのでゲソ。

そのせいで本当は3枚目であるわたしのほうが先に完成してしまったんでゲソ。今頃、2枚目でこころが折れているんじゃなイカ?

それにしても線がヨレヨレでゲソね。わたしはもっと可愛いでゲソよ。

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【 本 】(リライト)願いを叶えるために十二人の戦士がバトルロイヤルを繰り広げる-『十二大戦』

///西尾維新『大斬』。小畑健中山敦支金田一蓮十郎ほか総勢9名のマンガ家たちがそれぞれのイマジネーションを駆使し、西尾維新さんの原作にビジュアルの血肉を与える。コメディあり、ホラーあり、青春あり。とても一冊のマンガとは思えない内容の幅広さと目まぐるしさ。最初から最後まで西尾ワールドに陶酔しっぱなし。 

///『荒川アンダーザブリッジ』『聖☆おにいさん』の中村光さんが担当したのは『どうしても叶えたいたったひとつの願いとわりとそうでもない99の願い』という長ったらしいタイトルの作品。サンマーク出版から出ている自己啓発本なんぞのようですが、これが今日紹介する『十二大戦』の後日談。

///『99の願い』冒頭のモノローグ。

十二年に一度開催される十二大戦
干支の名を宿す十二人の猛き戦士が
互いの生命と魂を賭けて殺しあう儀式
この戦いに勝ち残った者はどんな願いでも
たったひとつだけ叶えることができるのだ──
で。
第十二大会の優勝者
俺。
おめでとう! 

///十二大戦・第十二大会の優勝者、俺=寝住(ねずみ)くんが優勝賞品である〈たったひとつの願い〉のために七転八倒するようすを描いたのがマンガ。その彼がどのようにして先の『十二大戦』を勝ち抜けたのかについて書き綴ったのが小説。

///いきなり関係ない話をぶっこむけど、今なら、西尾維新先生→『物語シリーズ』→阿良々木暦神谷浩史さん→結婚→中村光さん、腐女子界隈メルトダウンってなものですナ。まあ、狂気の代名詞でもあるファンという生き物は、あらゆる出来事が自分に関わりがあるように見えてしまう特殊能力を備えているので仕方ありません。

///十二大戦第十二大会に参加した戦士の名前を干支順にご紹介。

寝住(ねずみ)(本名・墨野継義)
失井(うしい)(本名・樫井栄児)
妬良(とら)(本名・姶良香奈江)
憂城(うさぎ)(詳細不明)
断罪(たつみ)兄弟・兄(本名・積田長幸)
断罪(たつみ)兄弟・弟(本名・積田剛保)
迂々真(ううま)(本名・早間好実)
必爺(ひつじい)(本名・辻家純彦)
砂粒(しゃりゅう)(本名・柚木美咲)
庭取(にわとり)(本名・丹羽遼香)
怒突(どつく)(本名・津久井道雄)
異能肉(いのうのしし)(本名・伊能淑子)

キャラクターのネーミングで遊んでいるのは毎度のこと。それに比べて本名のフツーさが目を引いてしまう。ただ、この本名、物語にはほとんど関係ないからね。つくづく何のために考えたんだか分からない反面、プロってこういう読者の目の届かないところまできちんと考えておくのね、と感心もしてしまった。

///それぞれに個性の強い登場人物たちなのだが、そのなかでも特筆は憂城(うさぎ)。上半身裸で蝶ネクタイ、パッツンパッツンのパンツをサスペンダーで止め、頭には兎の耳をつけている。で、そんなストリーキングみたいなのが両手に刃物をもって追いかけてくる。『八つ墓村』の田治見要蔵も顔負けのビジュアル。

///伊能肉(いのうのしし)が両手にもつ二丁機関銃『愛終』と『命恋』。書くまでもないとは思うけど、もちろんこれは『哀愁』と『命乞い』のもじり。機関銃についた名前が「愛の終わり」と「命がけの恋」ってんだからどんな梶芽衣子、どんな修羅雪姫なの。わたし的には本作で一番のヒットでした。

///各章の扉には、戦士たちが優勝して叶えたいものが書いてある。「平和」や「正しさ」という哲学的考究から「自分」「才能」といったやや中二っぽい問題まで。ちなみに寝住くんは「夢が欲しい。」、問題児・憂城くんは「お友達が欲しい。」です。そうかー、お友達が欲しかったのかと、あまりに真っ当なお願いにデペイズマンを感じてしまいます。

///あとがきで西尾さんが書いています。

『たったひとつだけ願いが叶うとしたら?』というのは、誰もが一度は考える問いだとも思いますけれど、結局そういうときに問われているのは、『何を望んでいるか』ではなく、『自分には何が足りないか』なのかもしれません。足りないものを欲することこそ、人の業ですか?

足りないものを求め、世界を遍歴するのは物語の基本。
矢部崇『〔少女庭国〕』にも書いてありました。

「お話ってどう書くの?」「知るか」君子が笑った。「え、だから、出る人物に何か欲しがらせて、手に入れるために行動させんだよ」

///冒頭で紹介した『どうしても叶えたいたったひとつの願いとわりとそうでもない99の願い』では、寝住くんがようやく手にした願いを叶える権利とその顛末が描かれています。もし仮にほかの戦士たちが勝者として「足りないもの」を手に入れられたならば、次にどのような物語が待ち受けているのかも興味が尽きないところ。 

 ///けっこう、戦士たちの最後が悲惨で、だれがどれとは書きませんが、首チョンパだったり、胴体切断だったり、ゾンビだったり、頭つぶされたり、粉微塵だったりします。まあ、このあたりのグロテスク趣味は西尾さんの趣味か、過激なものを求める読者へのサービスか。

十二大戦

十二大戦

 

 

【だいあり】生まれて初めての切り絵

題材がなぜこれになったかといえば、まったくの偶然でしかないのだが……時津風ちゃん、可愛い♪
パソコンでならチョチョイのチョイでシルエットが作れるのに。
はねた髪の毛とか、なかなか神経を使いますね。
これからたまに作ろうと思います。
艦むすだけではありませんが。
荒潮、ごめんよ。

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【雑 文】紹介してて恐縮ですが、筆者もよく分かってない『殺しのはらわた』

///こういう紹介もどうかと思うんですが、書いてるわたし自身、この作品を観ていない。いや、観たいと思ったときには、もう終わっていた。吉祥寺バウスシアターでほぼゲリラ的に公開され、またたくまに終了してしまった、と記憶しています。以降、商品化やテレビ放映はもとより、再上映すらされていないんじゃないかと。

///あまり品のおよろしくない感じの作品ですが、先日、三島由紀夫賞における記者会見で(ひととなりを知らないひとびとから)大顰蹙を買った、あの蓮實重彦大先生がコメントを書いていらっしゃった。ああ、やっぱり、無理をしてでも見ておくべきだった! 残念、無念、観念。

殺しのはらわた』(篠崎誠監督)
蓮實重彦

映画のはらわたを目にするには、こうするしかない。
そう覚悟を決めた篠崎誠は、味方のエージェントKKの膝から下を、あっさり切り落としてみせる。
その決死の身振りの正しさと、KKの絶命ぶりの美しさを、各自、劇場の大きなスクリーンで、しかと確かめられたい。

『殺しのはらわた』(篠崎誠監督)


///このたび本編を入手したわけもでなければ、鑑賞したわけでもなく、予告編からのご紹介。

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///リスペクトし過ぎちゃって「頭がおかしい」と評することはよくあるけど、「「名探偵コナン」よりおもしろかった」は一歩間違えると無邪気なディスだよね。でも、ホラー映画の比較対象がコナンくんであることに微妙なズレを感じ、ちょっと怖くもあります。まあ、コナンくんも歩く死神みたいなところがあるんで、怖いっちゃ、怖いか。それにしても新人女優14歳にこんなのを見せるなよ、とは思います。

///暗いから分かりにくいけど、日本刀で膝の下からを切断しています。蓮實重彦大先生が言及してるのはここの映像のことでしょうね。で、窒息死のショッキング映像。

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///これもさくっと右腕切断。何が起きているか全然分からないのですが、まあ、人間をブツとして雑に扱っている感はすごく伝わってきます。人間が人間であることを否定されちゃうと、観ているほうはヒヤッとしたものを感じてしまう。

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///さあ、ここでいきなり嶋田久作さんが登場。彼が一応、本作の主人公であり、殺し屋という役回りのようです。まもなく公開される『シン・ゴジラ』では外務官僚を演じており、とにかく芸の幅が広い。

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///予告映像においてすら、ガン・アクションと呼ぶのをためらってしまうしょぼい映像ですが、一応、見せ場なんでしょうかね。繰り返しになりますが、わたしも本編を観ていないのでよく分からんのであります。だいたい、走りながらこんなふうに拳銃って撃てるんですか? ミリオタのかたに頭をはっ飛ばされそうです。

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///「女、子供も容赦はしない! 動くものは皆殺し!」コピーの威勢はいいのですが、誰による何のための皆殺しなのかがよく分からない。ただ、子供をばすん、ばすん、射殺していくところは「表現の自由」規制に対して昂然と挑んでいるようで小気味がいいです。

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///どこかで再演してくれないかな。そしたら、絶対に観に行きます! 最後に動画も付けておくね。え? いらない?


映画『殺しのはらわた』予告編 

 

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【雑 文】ナウシカ前史・火の七日間を描いた『巨神兵東京に現わる』

///「エ」じゃなくて「ヱ」のほう。

///新作にして最後を飾る予定の『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版』公開が危ぶまれている今日このごろ、みなさまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。まあ、庵野監督をめぐるまことしやかな噂のひとつだと努めて思うようにはしていますが、前回の『Q』から足掛け早4年が経過している現状を鑑みるに、けっこう洒落になってねーぞ、と。大風呂敷広げすぎて、収拾つかなくなったんではというネット上の言説がにわかに真実味を帯びてきているのが、いやーんな感じ(相田ケンスケ)。

///(2016/07/19追記)でもって、今日「燃え尽きておるよん」という庵野監督のコメントを載せたニュースがたまたま流れている。だから、言わんこっちゃない。もはや監督には灰を燃やして、気化してしまおうとも、ラストを作っていただかないと、ファンは承服できません。頑張ってください!

///『ヱヴァ』なんて全然興味ないわ(ないぜ)というひとも多いと思いますが、そんなひとにも前作『Q』と共に併映されたこの作品だけは見てもらいたい。題して『巨神兵東京に現わる』。時間にして10分弱の小品です。

///あらすじは、Wikiに簡にして要を得たものがあったので、そこからまんまパクるよ。

東京に1人で暮らしている「私」のところに、突然弟がやってきて「明日、この街は滅ぶ」と予言めいたことを言い出す。いつもはそんなことを言わない弟の言葉を冗談だと思う「私」だったが、翌日に突然異形の巨人「巨神兵」たちが東京に現れ、町を焼き尽くしていくのだった(以上あらすじ、Wikiより)。


///物語は筋があるんだかないんだかよく分からない代物。でも、意味を喪失した感じがかえって観ているひとのこころに波紋を広げる。こころを疼かせる。現代はどんなものにも意味を持たせ過ぎて、ときにでっちあげっぽいものまで横行してしまっているんだけど、昔のおとぎ話や怪談、神話を読んでみたら分かるように、案外、「意味なんか置いといて」の作品は多い。

///心理学用語の「ツァイガルニック効果」。噛み砕いて言うと、完全なものより不完全なもののほうが記憶に残りやすいよー効果。CMによってはタレントが商品の名前を言ってる途中で終わっちゃうものがあるでしょ。あれはもちろんCMの尺を間違えているわけではなく、中途半端にすることで視聴者の印象を強化する「ツァイガルニック効果」を意図しているわけ。

///前置きはほどほどにして、早速本編ご紹介。

///オープニングの空撮に続いて、いわゆる「日常」ってやつが映しだされます。

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///「私」の日常は弟の出現とともに終わりを告げる。このモノローグ、厨二っぽくていいですね~♪ 褒め言葉です。あ、弟くんの姿はありません。

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///そんな弟くんの言葉を裏付けるかのように、ネットの海を埋め尽くす機械仕掛けの予言者たち。

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///そして、世界の破滅を告げるノイズが次第に天空に満ちていく。

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///天災は忘れたころにやってくる。

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///それでもなお、愚かなるひとびとは目の前の災厄に気づけず、それを喜々として眺めるだけなのだ。

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///人類の終焉を刮目して見よ。

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///これが本当の黙示録なのか。

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///人類が焦土と化すまでに残された時間はいかほどなのか。

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///火の七日間を耐えぬいた人類は、やがてひとりの少女の時代に行き着く。

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///本作は巨神兵のデザインを宮﨑駿さん、脚本を庵野監督、監督を『シン・ゴジラ』の樋口真嗣さん、劇中テキストをミステリー作家の舞城王太郎さん、女性の声を綾波……ではなく、林原めぐみさんが担当したという、非常に豪華な一品。才能が集まるとこういうものができあがってしまうという良い見本でもあります。

///それではみなさん、良い終末を!

 

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