【雑 文】遠い国ウクライナ
撃墜されたと覚しきマレーシア機には200人近いオランダ人が乗っていたそうで、ワールドカップでの活躍に湧いたのも束の間、国全体を一気に暗い雲が覆ってしまいました。
極東の島民としては、ご冥福を祈るしかできないわけですが。
ところで、その飛行機を撃墜したと取り沙汰されているウクライナは、ここのところずっと政情が不安定で、ニュースなどでにわかにその名前を目にする機会が増えました。
しかし、わたしが知っているウクライナ・ネタといえば、サッカーの天才的選手シェフチェンコ、可愛らしいおばさん政治家ティモシェンコ、そして何より忘れてはいけないチェルノブイリ。
うーん、お寒いかぎりです。
それで少しだけウクライナを調べました。
地理的には、黒海を挟んでトルコとお向かいの関係にあります。
わたしはトルコへ旅行したことがあるので、ちょっと意外な感じを受けました。
自分がウクライナのそんな近くまで行っていたとは。
まあ、黒海というのは途轍もなくでかいので、物理的な距離でいえば、やはり遠いのでしょうが。
ウクライナという国名の由来が示しているように、欧州世界では「辺境」の扱いのようです。
オーストリアですら「東の砦」という意味で、言うなればヨーロッパにおける最東端をあらわしているのでしょうから、ウクライナともなれば、もうひとの住むところではなかったのでしょうね。
中世日本における坂東のその先の陸奥(みちのく)のような位置づけでしょう。
古くは遊牧民に蹂躙されていたようですが、中世になってようやく「ルーシ」という国ができあがり、キエフがその州都に定められました。
これがかの有名な「キエフ大公国」です。
この「ルーシ」という国名が「ロシア」になったそうですから、まさにロシアの原点と呼んで差し支えない歴史を持っているのですね。
その後、またもや遊牧民国家のモンゴル帝国に攻められたり、独立戦争を起こしたりしながら、コサックや大御所ロシアとの闘争を経て、現在に至っているようです。
これだけ侵略や従属の歴史を繰り返しているわけですから、良くも悪くも非常にしたたかで、頭脳明晰な国民資質がうかがい知れますね。
日本人のほとんどが知識を持ち合わせない国、ウクライナ。
どんな本を読むことで、その知識を深められるでしょうか。
ちょいと探してみました。
中公新書のこのシリーズは定番中の定番なのですが、「物語」と銘打ってあるくせに、ほとんど教科書を読んでいるのと変わらないという罠。
過去にも、このシリーズを読みながら寝入ったことが何度あったか。
さりとて、ここまで一気にレベルを引き下げるわけにも。
あ、ゴルゴがダメだと言っているわけではなく、あくまでも気持ちの問題です。
でも、本書に収録されている「アナライズ・ウクライナ」は何気に良さそうです。
ノンフィクション作家の日垣隆さんが4月にこんなものを書いておられたのですね。
直近のウクライナ情勢を勉強するには、もってこいのようです。
メディアはKindle版のみ、21ページ相当、200円だそうです。
チェルノブイリに関連する本は、それこそ掃いて捨てるほどあるのに、ウクライナにフォーカスするとめっきりと本の数が減ります。
やはり、日本人にとって遠い国であるんだなあ。
ただ、そんななかで異彩を放っている一群の雑誌があります。
それが『美少女紀行』シリーズ!
昔の書店には、この手のものがごくごく普通に棚に並んでいたそうですよ。
ナンテウラヤマシイ???
ある年齢から上のひとにとって、ウクライナというのは、もしかしたら、白い肌をした美少女たちのことなのかもしれませんね。