【140字小説】#0055
客がわたしひとりしかいない喫茶。珈琲を飲む。壁には昇竜が紺地に黄金の飛沫を散らす。店の奥と手前に置かれた背高ノッポのスピーカーから流れる不規則なテンポの音楽。同じメロディーであるはずなのに、なぜかずれて聴こえる。あるいは、来し方と行く末が共存するなかにのほほんと座しているのかも。
客がわたしひとりしかいない喫茶。珈琲を飲む。壁には昇竜が紺地に黄金の飛沫を散らす。店の奥と手前に置かれた背高ノッポのスピーカーから流れる不規則なテンポの音楽。同じメロディーであるはずなのに、なぜかずれて聴こえる。あるいは、来し方と行く末が共存するなかにのほほんと座しているのかも。