Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

2015-06-08から1日間の記事一覧

【140字小説】#0058

レイリー散乱によって赤くなった陽射しがひとけのない教室を満たす。すみが丸くカールした掲示板のプリントはまるで枯れ葉のよう。夏の火照りを秋が冷ますように、教室の体温も一日の終わりとともに拡散していく。貴方の残り香は最後にひときわ輝きを放つ。…

【140字小説】#0057

土でこしらえた人形に魂を吹き込む。彼は怪訝な表情を浮かべ、自分の両手を見て、指を開いたり閉じたりしている。首を巡らせわたしを見あげる。どうして自分がここにいるのかわからずに、腹を立てているようだ。わたしは声を出し、人形の運命を思って嗤った…

【雑 文】タイトルに惹きつけられた15冊、もちろん中身も保証します

先日、ご紹介した『創作の極意と掟』という本。そのなかに次のような箇所がありました。 6.【表題】古今東西、名作のタイトルを安易につけてはならん。でも、「作品1」「作品2」とか現代美術みたいなタイトルをつけると、あとで自分が困るよ。 <a href="http://just-melancholy.hatenablog.com/entry/2015/05/29/103857" data-mce-href="http://just-melancholy.hatenablog.com/entry/2015/05/29/103857">【 本 】</a>…