Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【140字小説】#0075

神殿の扉を突き破り、赤膚の闘神があらわれる。人々はどっと逃げ出すが、参道の両側は池。落ちないように気遣うと、逃げ足は鈍くなる。男がひとり池へ落ちる。4メートルはあろうかという狂王は、池から男を掴み上げると全身の皮を剥ぎ、五体を引き千切り池に撒く。追走の地響きがわたしの背後に迫る。