Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【創作のタネ】逃げる犯罪者たちを待ち受ける運命とは-アーヴィン・S・コッブ「逃亡者と運命」

監視者 (恐怖と怪奇名作集)

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 

【あらすじ】

場所はアメリカ。列車で護送される三人の外国人犯罪者。このあと彼らには本国への強制送還と、そこでの残酷な刑罰の運命が待ち構えている。フランス人にはギロチン刑。スペイン人にはベルトによる絞首刑。そしてイタリア人には独房への終身拘禁刑。彼らはそんな末路は御免こうむると逃亡を企てる。護送に同行する警官たちを一瞬の隙を狙って倒すと、三人は列車を飛び出し、ふたりとひとりのグループに別れ、荒野を駆け去るのだった。

【創作のタネ】

三人の逃亡は成功するのか? うまいこと逃げおおせたつもりの三人だったが、結局、フランス人は逃げ込んだ先のホテルのエレベーターで首を切断、スペイン人は偽装工作のために首に巻いた生皮で窒息死、イタリア人は逃亡の果てに逃げ出すことのできない谷底に閉じ込められ自殺。いずれも悲惨な結末を迎える。そしてこれらは、彼ら三人が恐れていた当初の末路を一層残酷にしたものだった。ひとは定められた運命から逃れられないのだ。


《登場人物にみずからの運命を語らせ、しかるのち伏線回収する。》  

監視者 (恐怖と怪奇名作集)

監視者 (恐怖と怪奇名作集)