【創作のタネ】尻尾をもつ名指揮者の正体とは-スティーヴン・ビンセント・ベネー『猫の王様』
【創作のタネ】以下はネタバレになります。
【あらすじ】
トミーは、オリエンタルな雰囲気に包まれたビブラカナルダ王妃に片想い。社交界の華である。一方で、名指揮者として名高いティボーなる人物もまた社交界の話題をさらっている。王妃と共に彼の演奏会へ同行したトミーは、ふたりが恋仲にならないかと気が気でない。そんなティボーには面妖な特徴があった。尻尾を生やし、それでタクトを振るのだ。あるときトミーは、やぶけた靴下からあらわれたティボーの毛深い地肌を目撃してしまう。
【創作のタネ】
ティボーとは一体何者か? トミーは、友人にティボーの正体が猫である疑惑を語り、彼を追い払うための相談をする。友人は、猫の葬式の目撃談を語ると猫の王様がみずから正体を明かすという、北欧の昔話を教えてくれる。ティボーと王妃の婚約が決まったニュースを耳にすると、急ぎトミーはパーティの席上で昔話を披露する。すると、目もくらむ光線と煙のなか、ティボーは姿を消す。それと同時に王妃もまた船旅を理由に去ってしまう。
《昔話や伝承の筋書きを現代の物語のなかへ組み込む。》
- 作者: ロバート・ブロック,ブラム・ストーカー,スティーブン・ヴィンセント・ベネー,マイケル・ジョーゼフ,矢野浩三郎,大久保浩
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 1999/04/25
- メディア: 単行本
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