Just Melancholy

140字の小説をほそぼそと流します。本(ナンデモ)を読むことと旅(京都と外国)に出ることと文章を綴ることが大好きです。

【創作のタネ】傑作小説の作者に会いたい、遭いたい-ジョー・ヒル『20世紀の幽霊たち』

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

【創作のタネ】以下はネタバレになります。 

【あらすじ】

エディ・キャロルは、優れたホラー小説を集め、『アメリカ年間ホラー傑作選』として刊行するアンソロジスト。すっかり仕事がマンネリになりうんざりしているとき、傑作だという一本の作品を紹介される。それは、ある女性が異常者に残酷な仕打ちを受け、心身の傷が癒えかけたときまたもや異常者に捕まるところで終わる救いのない物語だった。キャロルは無名の作者に才能を感じ、彼に会おうとするが、その行方は杳として知れなかった。

【創作のタネ】

奇怪な小説の作者とは何者なのか? 業界人の伝手を辿り、キャロルはようやく作者に会える。ところが、その家には虐待されたとおぼしき女が監禁されていた。キャロルは、小説が「小説」でないことを悟るが、そのときには作者とその兄弟たちの(一応)歓迎的な態度も一変する。逃亡を図るキャロル、その背後をチェーンソーを手に追いかける兄弟たち。キャロルは、自分がこれまでに読んできたホラー小説の登場人物になったことを知る。


《これまで客観的に眺めていた世界の登場人物に突如なってしまう恐怖。》 

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)